食べ歩き

漬け野菜 isoism(イソイズム)-京都

漬け野菜 イソイズム-京都

今回の食べ歩きは京都。店のアルバイトの子が「京都に行くなら絶対ここですよ!」と教えてくれた「漬け野菜isoism(イソイズム)」さんへ。

屋号の通り「漬け野菜」をメインに打ち出しているお店なのですが、これまで漬け野菜というものに重点を置いて考えたことがなかった上、学生の女の子の言う“いいお店”というものが、飲食人から見て本当に優れているのか疑問に思う部分もありました。

なのでそれを逆手に取り、今回のミッションを「飲食人ではない一般の人が見る“いい”と思う店はどんなものなのかを体験する」と課しました。一般の人から見るいい店とはどんなものなのか確かめるべく、いざ出陣です。

Contents

開店前から行列のできる人気店

開店前から行列ができるイソイズム

京都駅を降りて、のんびり観光しながら歩くこと約10分。11時半の開店時間に合わせて予約を取ったのですが、店の前にはすでに20人ほどの行列ができていました。

京都と言えばお漬物のイメージがあるし、ほとんどの人が観光客なのかもしれませんが、それにしてもこれだけの列をつくる店にどんな魅力があるのか期待が膨らみました。

ズラリと並ぶ漬け野菜

樽に入った漬け野菜のディスプレイ

店内は古民家をリノベーションしたようなカフェ風で、女子ウケしそうな雰囲気。入ってまず目に飛び込んだのは、樽に入った漬け野菜のディスプレイと、ずらりと並んだランチメニューの野菜漬けプレート。迫力感のある野菜の盛り方に期待がさらに膨らみます。

1階はカウンター席のみ、2階はテーブル席20席ほどで12時には満席に。お客さんは女性が多く、平日でしたが観光客のような方が多かったです。果物や野菜を浸したデトックスウォーターが用意され、女性目線を意識した店舗づくりだなと感じました。

メニューは1種類のみ

漬け野菜の12種盛り

メニューは1種類で、漬け野菜の12種盛り・炊き込みご飯・野菜のスープがセットになって1800円(50食限定)です。

スタッフは5人程で回し、皆明るく感じのいい若い女の子たち。メニューをひとつに絞っているためオーダーを取る必要がなく、また、料理は漬け野菜がメインであるため作り置きができます。非常に作業効率に優れていると感じました。

漬け野菜と言っても漬物ではなく、京都の旬野菜にそれぞれに見合ったオリジナルの味付けを施しています。ハチミツのレモン漬けしたサツマイモや、白ワイン漬けした京トマトなどで、そのどれもが美味しい!

セットの炊き込みご飯

セットの炊き込みご飯については、12種すべての漬け野菜がご飯と合うわけではないため(例えばサツマイモのハチミツ漬けとか)、炊き込みご飯単体でも美味しく食べられるようにしたのではないかと推測。

でも意外と漬け野菜の味がしっかりしていたので、炊き込みご飯と食べると少し濃くも感じました。僕だったら、米にもこだわり、すごく美味しい白米と食べさせてあげたいなと思いました。

飲食人から見て“いい店”なのか?

肉好きの僕は普段はこんな料理を食べないし、「わざわざ京都に来てまで漬物かよ」と内心では思っていたのですが、本当に来て良かったです。

とても感動したので食後、店長とお話する機会を設けさせてもらいました。

これだけの量の野菜を漬けるのは相当な手間がかかるのでは?という僕の問いに、朝6時には出勤し、野菜はすべて店長が漬けているとのこと。やはり繁盛店を作るには人一倍の努力が影ながらにあることを痛感させられました。

今回のミッションに関しては、飲食人目線の食べ歩きばかりをしていたら、多少自分の好みに偏ってしまう傾向があるため、今回のように疑問を持ちながらでも、一般の人の意見に耳を傾けることもまた重要だということに気が付きました。

自分自身のこだわりはとても大事ですが、こだわりを崩す勇気を持つことも重要だと認識させられました。このお店を教えてくれたアルバイトの女の子には感謝しかないです!

まとめ

このお店の特に優れている点は、常に満席状態を維持している所です。これが日によって客入りにムラがあるようであれば、この盛り(作り)置きという作業は不可能です。恐らく予約分だけで満席になるため、何時に何人来るということが予め把握でき、盛り置きの作業が可能になるのでしょう。

勉強になったこと

同店を経営する「五十家コーポレーション」は自家農園を所持し、生産者の顔が見える野菜を取り扱っているという強みがあります。

僕は現在1店舗しか持っていませんが、店舗を広げていく事を考えた時には必ず、強み=こだわりが必要になってきます。 そのこだわりを自社で作ることができるのであれば、原価も抑えられます。

ただ単にやみくもに店舗を広げていくのではなく、基盤を固めてからの店舗展開は非常に効率が良いと思ったため、ぜひ今後の参考にさせて頂きたいと思いました。

こんな人におすすめ

京都周辺に行く人には全員オススメです。

これまでの食べ歩きで記憶に残っているお店はたくさんありますが、その中でも五本の指に入ります。それは、味が飛び抜けて旨いということではなく、ご飯を食べて幸せ感を感じられる店だったことが一番の要因です。僕も胸を張って1種類だけで勝負できる何かができればと強く思いました。

大変勉強になりました!

地図・アクセスなど

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ABOUT ME
秋山尚登
株式会社チカラ商会代表。山口県美祢市出身40歳。宇部新川で焼鳥一力(いちりき)を開業しわずか半年で軌道に乗せる。二年後に移転し席数が倍になるも予約が取れない繁盛店へ。圧倒的な行動力を武器に、世界をワクワクさせるべく動き出す。