今回は、福岡県内で飲食店など9店舗を展開する「フーマンラボ」が手掛ける、魚業態の居酒屋「博多秀丸 本店」へ行ってきました。
今回のミッションは、魚に特化した店ではどんなメニュー構成がなされているのかを知るです。
焼鳥屋である僕の店でも魚料理を提供していきたいと考えています。魚料理が焼鳥屋にあると想定した場合、それをお客さんはどう感じるのかを考えながら食事をしてきました。
また、このお店が接客業の熱い思いをアピールするイベント「居酒屋甲子園」に出場しているとのことで、接客スタイルの視察もさせていただきたいと考えていました。
Contents
博多駅から徒歩5分の好立地
博多駅から徒歩5分。大通りには面していませんが、飲食店が立ち並ぶ、人通りの多い場所にありました。
「魚業態の居酒屋」という勝手な先入観から、大衆酒場のような(小汚く魚臭い)イメージを想像していましたが、真っ白で清潔感のある外観はスタイリッシュで非常に格好良かったです。
個室完備の大繁盛店
店内は木を基調にしたシンプルな縦長の造り。カウンターやテーブル席はなく、仕切られた個室(掘りごたつ)のみが用意されていました。
午後9時半に入店したのですが、70席もある店内は満席!オフィス街にあるからか、仕事終わりでそのまま流れてきたサラリーマンが多く、活気に満ち溢れていました。3~4人以上宴会需要が多かったです。
皆それぞれワイワイガヤガヤと宴会をしていましたが、個室なので全く気になりませんでした。カップルや子連れでも食事ができる空間だと感じました。
僕は、カウンター・テーブル席・個室を選択できるなら、店内の様子が伺えるカウンターを真っ先に選びます。このお店にはカウンターとテーブル席がないため、必然的に個室へ案内されることになるのですが、ここで重要なのはお店の人と触れあうことができない個室は、料理を運ぶスタッフがお店の顔になってくるということです。
このお店の場合は、ハキハキと元気なスタッフが多く接客態度は100点でした。
オーダーは電話(カラオケボックスで注文をする時に使うやつ)でお願いするシステムでした。これだけ広い店内、これだけの席数であれば僕ならタッチパネルにすると思います。ホールスタッフのオーダーテイク動作が減ることにより、人件費削減につながるからです。また、お客側からしても自分たちの空間を楽しんでいるため、煩わしさを避けることになるからです。
インスタ映えする盛り付け方
料理についてまず、目を奪われたのは、その盛り付け方です。いわゆるインスタ映えをする盛り方で、ごくごく普通のかっぱ巻きに、イクラとマグロのたたき、ウニがトッピングされた姿は宝石をちりばめたように美しく、贅沢そのものでした。
その盛り付けを一層際立たせていたのが器で、どんな料理が盛られていても、そのどれもが美味しそうに見えました。料理を引き立てるための器選びにこだわっていることが分かり、それがとても大事だということを深く感じました。
僕には魚の技術や知識がありませんが、盛り付けひとつでここまで心を動かすことができれば、お客さんの満足度も高くなるのではないでしょうか。
おすすめは絶品・ゴマサバ!
福岡の郷土料理である「ゴマサバ」を食べたのですが、山口のサバとは桁違いの旨さでした。弾力のある引き締まった身に濃厚なごまだれと甘めの醤油が絡み合い、本当に美味しかった。
焼鳥屋における魚料理の可能性
魚が得意じゃないということは自慢できることではないのですが、アイディアひとつで、魚料理の提供も可能だということが分かりました。
実は近々2号店をオープンさせる予定なのですが、そこでは串料理よりも魚料理をはじめとした、一品料理を多く提供したいと思っています。
理由は、2号店が1号店よりも席数が圧倒的に多くなることにあります。席数を多くすることによって特に負担がかかるのが焼き場で、焼きの仕事量を減らさなければ、恐らく店は回らなくなってしまいます。
一品料理を充実させることで、お客さんが串よりも一品料理を注文するという流れが作られ、それにより店をスムーズに回すことができるのではと考えています。
また、席数が増えることにより大衆寄りの居酒屋になるだろうとの予測をしています。その場合、焼鳥に特化する必要はないとも思っていて、大衆居酒屋の一品料理として必要になってくるのが魚料理なのです。
まとめ
どのスタッフも元気で愛想があり、料理も美味しく最高なお店でした。今回もさまざまな事に気付かされましたが、特に勉強になったのが個室の大事さです。
僕のお店の社員の女の子(23歳)は、絶対またここに来たいと話していました。理由は盛り付けがおしゃれで美しいからだそうです。これがカウンター越しに、職人が目の前でさばいた魚を盛り付けるようなお店だったら、緊張してきっと敷居を高く感じるはずです。スタッフとの接触がない個室というスタイルだからこそ、自分たちで思うように喜び、思うように感想を言い合える食事環境に感動したのではないかと思います。
あとはやはり料理のインパクトです。同じ料理でも、ちょっと盛り方を変えるだけで、とてつもないインパクトを与えるのだということを知りました。その完成度の高い料理が「あの人に見せてあげたいな」「あの人と一緒に食べに行きたいな」につながるのではないでしょうか。
大変勉強になりました!
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