以前紹介した美久馬が新店舗を出したと言うことで、突撃してみることにしました。
今回のミッションは、『職人がいる人気店の新店舗は、新たな職人の元、旧店舗に負けない、いや勝るほどの店が出来るのか。』です。
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新店舗は大名の路地裏に
福岡市の若者が集まる街・大名の端での細い路地の奥の奥に新しい建物があります。この辺りの地理を理解してても道路からは見つける事が出来ない場所です。
薄暗い細道の先にある、パッと光輝く新店舗。思わず『お、おっーー。』と声が漏れ、店に辿り着くまでの暗い道筋とは違い、明るい店内にワクワクが溢れてきます。
こちらの店舗も旧店舗と同様、焼鳥を焼くのに備長炭ではなくヒゴグリラー(電気の焼き台)を使っています。まさに旧店舗での修行の見せ所ではないでしょうか。
客入りは日曜日の19時入店で、52席の店内の約半分は空席でした。
メニューは変えるべき?
メニューは旧店舗とさほど変わりはありませんが、僕が大好きなタンステーキがありません。
自分の好きな店には大抵お気に入りのメニューがありますが、それを目当てに店に行き『いつものアレ下さい!』なんてカッコつけて言って、『今日は品切れなんですよ』と言われたときの敗北感は、自転車レースでゴールテープを切る直前に両手離してガッツポーズし、テープを切る直前にコケてしまい優勝を逃すあれに似ています。
本店と新店舗であえて違う名物を出し、両店舗に足を運ばせるのは狙いとして間違っていません。また場所が違っても両店舗共にお気に入りのメニューがあり味も一緒だとこれもまた嬉しいと思います。
ただ今回の美久馬のように、新店舗も旧店舗と同業種の焼き鳥屋の場合、一つだけハッキリと言える、絶対に怠ってはならないポイントがあります。
それは『新店舗は旧店舗に劣ってはならない』と言うことです。
新店舗 VS 旧店舗
旧店舗が人気店となり、満を持しての新店舗オープン。お客様からすると人気であった旧店舗の味、サービスが基準になるわけで、それより質が落ちれば『新店舗には行かない方がいい』という口コミは一気に広がっていくでしょう。
『旧店舗』が人気店であることで、いきなりハードルをあげられてしまっているのです。
これが旧店舗から全く離れた県外だとしても、今はレビューサイトで簡単に口コミなどの情報を得ることが出来ます。お客様は人気店の味やサービスを自分なりにイメージして来店するため、自ずと評価のハードルは上がってしまうわけです。
だから必ず新店舗は旧店舗に勝す必要があるのです。ライバルは己自身なんです。
表面化しないクレームに要注意
19時半頃からお客様が増えはじめ、8割の席がお客様で埋まった。
隣に30代の男女4人。ファーストドリンクをオーダーして10分。まだ来ない。料理は運ばれているのにまだ来ない。
やっと店員に声をかけると、『今作っていますので。』と、声が帰ってきた。やっと乾杯ができたのは来店して20分も経ってからでした。
でも、その事に関して誰一人文句を言ってないし、怒ってる素振りもありません。
乾杯直後に、ウーロンハイを頼んだ人が『これはウーロン茶だ。』と言うと、隣でハイボールを飲んでた人が、『これもほぼ炭酸水だよ。』と言い出した。ハイボールは明らかに色が薄く、『あれだけ待たせてこれかよ!!』とテーブルをひっくり返し怒り出す人達を間近で見れると少し期待した。
遂に店員を呼ぶお客様。
…。
えっ、それだけ!?
明らかにドリンクが届くのも遅いし、味も薄い。それでもその事を店員に伝えないお客様がいることに驚きました。
僕は自分の店で『不味かったし最低な店。もう来ないよ。』なんて言われたことがなく、『美味しかったよ。また来ますね。』といい感想ばかり頂くので喜んでいたのですが、こうしてクレームを声に出さないお客様がいることを初めて実感しました。
さて、この出来事の一番のポイントは3つあり、責任は全て店長にあると考えます。
- このテーブル席での出来事に気付いていない
- ホールでの出来事を共有するシステムが出来ていない
- 店長の仕事は焼鳥職人だと勘違いしている
目配り、気配り次第でこのお客様は楽しい食事を終えて帰る事が出来たでしょうし、またの来店に繋がったでしょう。
失敗は誰にでもあります。その失敗をフォローし覆すチャンスはあったはずです。しかし、そもそもこの出来事に気付いていないのならどうしようもありません。この店であの子達に会うことはもうないでしょう。
今日も大変勉強になりました。
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